眼医器協ニュースVol.90
学会を終えて
鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 先進治療科学専攻
感覚器病学講座 眼科学分野
教授/病院長 坂本 泰二
この度、2020年11月27日から29日までの3日間、福岡国際会議場にて「第59回日本網膜硝子体学会総会」を開催いたしました。新型コロナウイルス感染症が広がる中で、通常開催は困難と判断して、会場とWEBを組み合わせたハイブリッド形式で行いました。参加者数はどのようになるのか、事前には全く予想ができませんでしたが、2,100名を超える参加登録があり、実際に会場に足を運ばれた方も500名近くに上りました。また、学会期間中のWEB視聴者数が延べ1万5千件にも達し、通常では考えられないほど広く情報発信ができました。昨年は日本眼科学会総会が完全WEB形式になったことを始めとして、集合型の学会が開催されず、本学会は久々に人が集合する形式の学会となりましたが、質疑が充実して良かったというお褒めの言葉を多くいただくことができました。特に感染予防を徹底し、無事盛会裡に学会を終了することができましたが、新しい学会開催形式を提案できたと考えております。盛賞受賞講演、招待講演、シンポジウム、教育セミナーでは沢山の方々にご参集、ご視聴をいただき、盛況でありました。また、12月14日から12月28日までオンデマンド配信を行いましたところ、さらに多くのご視聴および登録をいただけましたことに、深く感謝申し上げます。
さて、器械展示会は学会の華であり、これが目的で学会に参加される先生や関係者も少なくありません。ご自分の施設に導入したい医療機器が一堂に揃い、実際にそれを操作できるだけではなく、既に使用されている先生からその感想を直接聞けるという場は、なかなかありません。今回は、新型コロナウイルス禍の影響で直接会場に足を運ばれる方の数は多くありませんでしたが、来場された方は久しぶりの学会器械展示会であり熱心に各社のブースを回られていました。今後の学会開催はハイブリッド形式に変わって行くでしょうが、器械展示会はこの形式に代わるものはなかなか現れないであろうと思います。このような難局の中で、ご尽力いただきました日本眼科医療機器協会の方々および展示をいただいた方々には深くお礼申し上げます。
今回の新型コロナウイルス禍について、当初はこれが収まったら元の世界に戻るといった楽観的考えが少なくありませんでしたが、現在では今後は社会や経済構造が全て変わってしまうであろうと考えられています。その中で、学会や眼科医療の将来をどのようなものにすべきか皆で考えて行く必要がありますが、社会とりわけ患者様のためになる眼科医療を目指して、今後とも日本眼科医療機器協会の方々にご指導いただきたいと存じます。本来なら協会の皆様に直接御礼を申し上げるところではありますが、書面およびホームページ上にて学会終了のご報告と御礼を申し上げます。
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