眼医器協ニュースVol.88
学会を終えて
滋賀医科大学 眼科学講座
准教授 西信良嗣
第73回日本臨床眼科学会を2019年10月24日(木)~ 27日(日)の4日間、滋賀医科大学眼科学講座が主管校となり、国立京都国際会館およびグランドプリンスホテル京都を会場として開催いたしました。前半は雨模様でしたが、後半にはお天気も回復し、8,322名と当初の期待よりも多数の方々のご参加をいただき、無事盛会裡に学会を終了することができました。これも日本眼科医療機器協会をはじめとする本学会関係者の皆様方による格別なご指導ご支援によるものと感謝いたしております。
日本臨床眼科学会も73回目となりましたが、年を経るごとに演題数も参加者も増え、大きな会場の必要性と参加される皆様の利便性を考え、国立京都国際会館およびグランドプリンスホテル京都での開催とさせていただきました。国立京都国際会館には2018年秋に2,000㎡の機能美あふれる多目的ホールが新築され、眼科の学会としては初めてその多目的ホールを併設器械展示会場および学術展示場として使用いたしました。
臨眼の華である招待講演は、Paul A. Sieving先生、Peter A. Campochiaro先生というビッグネームをお招きいたしました。Paul A. Sieving先生には「Human Ocular Gene Therapy: Progress on the NEI trial for X-linked Retinoschisis」というテーマでご講演をいただきました。遺伝子治療というと遠い存在のように思いがちですが、一般的に取りいれられる技術であり、多くの眼科医が知るべき知識であることを感じた素晴らしいご講演でした。Peter A. Campochiaro先生には「Sustained Suppression of VEGF for Retinal and Choroidal Vascular Diseases」というテーマでご講演をいただきました。加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症の治療を念頭に置いた、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)を中心とした網膜、脈絡膜における血管病変に関して、豊富な研究成果に基づきご講演いただきました。特別講演は、日本の眼科を牽引してこられた千葉大学の山本修一先生、湖崎眼科/大阪大学の前田直之先生にご登壇いただきました。山本修一先生には、「患者に寄り添う網膜色素変性の診療」と題してご講演いただきました。指定難病である網膜色素変性の診療のあるべき姿に関してご講演をいただき、先生の網膜色素変性の診療に対する情熱がひしひしと伝わってくる大変すばらしい特別講演でした。前田直之先生には、「良質な視機能をめざして:イメージングによる前眼部疾患の個別化医療」と題してご講演いただきました。イメージングによる前眼部疾患の診断の進歩と、個別化医療の実践について、豊富な臨床経験をもとに非常に詳しくご講演をいただきました。
日本眼科医療機器協会の皆様には、企画の段階からご相談させていただき、素晴らしい医療機器展示コーナーに仕上げていただきました。非常に多くの企業の方々に展示をしていただき、参加者が多くの新しい医療機器に直接触れ、体験していただき、様々な情報に触れる機会を提供していただきました。リフレッシュコーナーでは飲料の提供とともに滋賀県、京都府の選りすぐりの銘菓や宇治の銘茶を取りそろえ、参加者にたいへん好評でした。本学会の運営にあたり貴協会から本当に多大なご支援やご協力をいただきました。本会にご支援いただいたことを改めて感謝するとともに、貴会のますますのご発展をお祈り申し上げます。本当にありがとうございました。
|
|