眼医器協ニュースVol.86
学会を終えて
杏林大学医学部眼科学教室
講師 厚東 隆志
平成最後となる第123回日本眼科学会総会を、平成31年4月18日~21日に杏林大学医学部眼科学教室を主管校として東京国際フォーラムで開催させて頂きました。総会長を当教室主任教授・平形明人が務め、東京都眼科医会会長の福下君子副総会長、信州大学医学部眼科学教室教授の村田敏規プログラム委員長のもと、事務局長として学会運営に当たりました。学会開催に際してはプログラム委員会の諸先生方、日本眼科学会理事・評議員の皆様、日本眼科学会事務局の皆様には、多大なご協力を頂きました。また、日本眼科医療機器協会の皆様には、器械展示をはじめとした手厚い支援を賜り心より御礼申し上げます。
さて、今回の学会では7,646人と歴代2番目の参加人数となりました。近年の専門医制度改革なども影響し、日本眼科学会総会は過去に比べ学会規模が格段に大きくなっております。その中で器械展示ブースの出展数も過去最大規模となり、また会場の一部にOCTアンギオグラフィーの企画展示をして頂くなど、日本眼科医療機器協会の会員各社様には多大なるご尽力を頂戴しました。学術展示に余裕を持たせたスペースを取りたいという主催者側の希望を容れて頂き、限られたスペースを最大限に活用して多数の参加者に大変有益な情報をご提供頂きましたこと、改めて感謝申し上げます。
本学会ではポスターにスペインを拠点に活躍される画家・神津善之介さんの絵画を使ったことは大きな特徴でありました。デジタルイメージを使用することの多い学会ポスターですが、本学会のテーマとして掲げた「光の向こう」という言葉を表すような柔らかい緑色の絵画を採用しました。いつもとは違う、森の中にいるような感覚を学会場全体に広げられたと思います。学会期間中、器械展示会場の一角には『絵画展』として神津さんの作品を4点展示、多くの方に足を止めて頂きました。
おもてなしコーナーの充実にも、東京国際フォーラムという何かと制約の多い会場にもかかわらず行列の絶えない東京銘菓をご用意頂くなどお力添えを頂きました。学会で疲れた頭と体を休められる、癒しのひとときを提供することが出来ました。居心地の良い学会にするために加えたかったアナログな面を、絵画を使ったポスターとともに美味しいお菓子が演出してくれたように思います。
今日の眼科医療は様々な医療機器なしに成り立ちません。今回の学会でも人工視覚についての特別講演やデジタル支援手術をテーマとしたシンポジウムなど、医療機器の進歩がもたらすイノベーションについての議論が盛んに交わされました。今後も診療技術の向上と双輪となる医療機器の進歩にご尽力頂き、眼科医療の発展に共に貢献できることを願っております。最後にもう一度、学会の成功にお力添え頂きましたことに感謝申し上げます。誠にありがとうございました。