眼医器協ニュースVol.85
学会を終えて
滋賀医科大学 眼科学講座
大路正人 教授
平成30年12月7日から9日までの3日間、国立京都国際会館にて「第57回日本網膜硝子体学会総会」を開催いたしました。京都での網膜硝子体学会総会の開催は10年ぶりです。お陰様で1,771名もの多くの方々にご参加していただき、盛会のうちに無事、学会を終えることができました。これも日本眼科医療機器協会をはじめとする本学会関係者の皆様方による格別なご指導ご支援によるものと感謝いたしております。
網膜硝子体学会総会も57回目となりましたが、年を経るごとに演題数も参加者も増え、大きな会場の必要性と参加される皆様の利便性を考え、国立京都国際会館での開催とさせていただきました。
学会の華である盛賞受賞講演は小椋祐一郎先生による素晴らしい講演でした。坂本泰二先生によるユーモアを交えた紹介の後に、小椋先生のライフワークである網脈絡膜循環の生体イメージングについてご講演していただきました。もう一つの華である招待講演では米国のPravin Dugel先生によって、網膜疾患の薬物治療の現状と近未来について詳しくご紹介いただきました。シンポジウムの一つでは、最近話題となっているAI (Artificial Intelligence)を取り上げ、AIの基礎、眼科におけるAI、他科におけるAIの利用などについて、紹介いただきました。もう一つのシンポジウムは招待講演の演者であるDugel先生とHarvard大学のVavvas先生にも加わっていただき、英語での発表、討論が活発に行われ、盛り上がりました。学術展示にも数多くの素晴らしい内容の演題がございました。一人でも多くの参加者に学術展示の内容を知っていただくために、本学会では紙ポスターによる展示に加えて、3つの講演会場を利用してショートトークとして1人2分の口演もしていただきました。口演の際には質疑応答していただく時間の余裕がございませんので、口演後に紙ポスターの前で討論していただきました。学術展示会場にも多くの方々に参加していただき、討論に盛り上がりました。演者の先生方には二度手間となりご苦労をおかけしましたが、多くの先生方から賛同するご意見をいただきました。
日本眼科医療機器協会の皆様には、企画の段階からご相談させていただき、素晴らしい医療機器展示コーナーに仕上げていただきました。非常に多くの企業の方々に展示をしていただき、参加者が多くの新しい医療機器に直接触れ、体験し、様々な情報に触れる機会を提供していただきました。リフレッシュコーナーでは飲料の提供とともに滋賀県の銘菓を数多く提供していただき、参加者にたいへん好評でした。また、多くの共催セミナーを通じて、最新の情報を提供していただきました。参加者の皆様からは直接、講演内容が良かったとお褒めの言葉とともに、お弁当やお菓子の内容がよかったとの評価もいただきました。
眼科の中でも特に網膜硝子体学会分野の医療進歩には眼科医療機器の発展が不可欠です。眼科医療機器の発展とともに網膜硝子体分野の病態理解、検査法や治療法が進歩してきました。本学会の運営にあたり貴協会から本当に多大なご支援やご協力をいただきました。本会にご支援いただいたことを改めて感謝するとともに、貴会のますますご発展をお祈り申し上げます。本当にありがとうございました。