眼医器協ニュースVol.85
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営業部 サージカル国内営業課
大坪 悠祐
当社の設立は1959年で、2019年に人間で言えば還暦となる会社設立60周年の節目を迎えます。これもひとえに眼科医療機器業界をはじめとする様々な方々のお力添えの賜物であり、この場を借りて厚くお礼申し上げます。
「マニー」という社名を聞いたお客様より、海外企業なのかとのお尋ねをいただくことがありますが、当社は創業の地である栃木県に現在も本社を置く日本企業です。創業時は「松谷製作所」という社名でしたが、海外の方にとっては発音しづらいものでした。当社が海外展開をする際、世界中の人々により親しみを持って貰えるように、「MATSUTANI」の最初と最後の二文字を使い「MANI」という現在の社名に変更いたしました。現在では世界100カ国以上で当社製品が使用されており、海外への売上が過半数を占めています。
当社の創業者は、地方からでも世の中に貢献できる産業を興したいと考え、当時医療現場で使用されていた鉄製縫合針のさびやすいという欠点に着目し、さびに強いステンレス製縫合針の研究開発を行いました。その結果、1961年に世界で初めて18-8ステンレス縫合針の製造に成功しました。当社はそれ以降もステンレス微細加工技術の研究を重ね、1976年には歯科分野、1993年には眼科分野へと進出し今日に至っております。
当社は生産の海外移管を推進しており、1996年にベトナム、1999年にミャンマー、2009年にラオスに工場を建設し、製品の製造を行っています。一般的には、「MADE IN JAPAN」が高品質の証であると認識されることが多いようですが、当社工場の海外移転は日本製以上に優れた品質の製品づくりを目的としております。
マニー製品は当社独自の金属加工技術により生み出されています。材料の加工については、当社が日本で開発した数々の工作機械を使用しておりますが、製品の品質を大きく左右する検査工程では、人間の目が頼りの工程が多数存在します。国内工場で製造を行う場合は、多くの人手を使って検査を行うと製造コストが跳ね上がってしまい、高品質な製品ができたとしても非常に高価になるため、多くの先生方にご使用いただくことが困難になってしまいます。日本では少子高齢化が進み、検査工程で細かな差異も見逃さない優れた視力を持つ若い人材の確保が非常に難しくなっていますが、当社が工場を設けたアジアの新興国では、視力の良い若い人材が豊富です。国内生産と比較して一人あたりの人件費を抑えることができるため、複数の人員で検査を行うことが可能になり、同等のコストで国内生産するよりも遥かに高品質な製品づくりを実現しております。
引き続き優れた品質の製品を安定的にご提供できるように努めて参りますので、今後とも変わらぬご高配を賜りますようお願い申し上げます。