眼医器協ニュースVol.85
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感染管理事業部
小川 玲
メディア株式会社は歯科用電子カルテシステムのパイオニアとして昭和57年に創業し、歯科用ICT製品をはじめとする製品、サービスを全国約4,000件の歯科医療機関、100施設を超える病院に提供しています。
昨今、院内感染に関する話題がマスコミや学会において取り上げられ、各施設様でも院内感染対策に対する注目が高まっていることを受け、弊社では診療科目や施設規模を問わず、感染対策全般をトータル的に提案することを目的とした感染管理事業部を5年前に発足いたしました。
特に中小医療機関においては感染対策の専任担当者が不在であることや、日々不特定多数の患者が出入りすることから、徹底した感染対策が求められるものと考え、積極的にセミナーや勉強会を開催しています。
眼科領域においては患者の粘膜に直接触れる機会が多く、医療従事者・患者ともに感染のリスクが高いことから、感染対策への問題意識が高いものと考え、日本眼科医療機器協会に参加させて頂いています。
眼科医療機関で問題となる感染症には、感染力の強いアデノウイルスによる流行性角結膜炎、エンテロウイルスによる出血性結膜炎などがあります。これらの感染症の特徴としては、宿主側の免疫力に関係なく健康な人でも感染すること、また接触感染で容易に感染が拡大することが挙げられます。ひとたびアウトブレイクが起こると終息させることが非常に困難なため、診療機能の麻痺に繋がる危険性が常にあると考えます。さらに、眼科手術においては、微細な内腔器材やレンズ類が多種にわたって使用されており、それぞれの器材に適した洗浄・消毒・滅菌を行うことが重要です。こうした微細な眼科器材は、摩耗しやすく、目には見えないわずかな変形でも手術に支障をきたすリスクもあります。
眼科器材の管理については、職員全体で感染予防の意識を深め、標準予防策(スタンダードプリコーション)の徹底に加え、感染経路別予防策を講じることが重要であり、汚染器材の再生処理については、「スポルディングの分類」を参考に器材の使用目的別に適切に処理していくことが重要なポイントとなります。
弊社では、特に器材の再処理に注目し、洗浄剤やオートクレーブ、プラズマ滅菌器などの医療機器を中心とした運用提案を行っています。
日頃から感染対策に関わる眼科医療機関の皆様方の一助となることを願い、日本眼科医療機器協会並びに会員各位と共に、眼科業界の安心・安全をサポートして参ります。