眼医器協ニュースVol.84
学会を終えて
新潟大学医学部眼科学分野
教授 福地健郎
2018年9月14日(金曜日)~16日(日曜日)の3日間、朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンターにおいて、第29回日本緑内障学会を開催させていただきました。約1,600名の参加者をお迎えし、盛会のうちに終了することができました。ありがとうございました。
この学会のテーマは「そして未来へ緑内障をつなぐ」でした。つなぐもの、それは緑内障の学術だけでなく、様々です。須田記念講演は熊本大学谷原秀信先生に担当していただきました。キャリア当初から基礎と臨床を「つなぐ」研究を続けてこられた成果の集大成だったと思います。招待講演のFelipe Medeiros先生は、世界をリードする緑内障研究者の1人で、これまでの知識を整理し、かつ最先端のテクノロジーを駆使した未来へのアプローチを示して下さいました。緑内障を未来に「つなぐ」ため、世界と日本の緑内障を「つなぐ」ための貴重なご講演だったと思います。特別講演は服部信孝先生に、パーキンソン病についてのお話をしていただきました。他の中枢神経疾患と緑内障を「つなぐ」ご講演だったと思います。Legendary Lectureは先輩方の緑内障への思いを感じ、「つなぐ」という思いで企画しました。宇治幸隆先生、新家眞先生、岩田和雄先生、いずれも日本緑内障学会の歴史に残るご講演でした。シンポジウムの構成に当たって、プログラム委員の先生方にはベテランと新人を「つなぐ」ことをお願いしました。成果として今回の学会が初めての座長です、初めてのシンポジストですという先生が多数おられたようです。シンポジウムは最先端のテーマ、オーソドックスなテーマ、緑内障と他の眼疾患をつなぐテーマなど様々なコンセプトで企画しました。研修医・メディカルスタッフプログラムも緑内障を「つなぐ」ための大切な企画でした。いずれも内容の濃い熱の入った発表と討論でした。紙面の関係で一つ一つに触れることができませんことを、お詫び申し上げます。
今回の学会では、ポスター展示、器械展示を朱鷺メッセ・展示ホールで行いました。
例年の緑内障学会に比べるとかなり広いスペースをとることができ、当初は広すぎるのではないかという事が懸念されました。日本眼科医療機器協会の皆様にご尽力いただき、また医療機器メーカの皆様のおかげで、とても良いレイアウトを敷いていただくことができました。スペースはゆったり、ポスター展示、おもてなしコーナー、書籍展示、休憩コーナーなどきれいに無駄なく配置されていました。これまでの緑内障学会ではあまり見かけませんでしたが、今回は新潟の物産店やJAに入っていただきお土産物コーナーができました。たくさんの方が集まっておられましたし、全国に新潟を紹介する一助になったのではないかと思います。
緑内障学会、29回の歴史の中で初めて花火を上げました。「これで歴史に残ったね!」とのありがたいお言葉をいただきました(笑)。おもてなしのお菓子も含め、新潟大学眼科の面々がいろいろな情報を集めてきてくれました。この辺は私のこだわりではありません、新潟人のこだわりです! とても楽しい学会でしたとのお声をたくさんいただき、それこそ主催者冥利につきます。
多くの方々に支えられての学会運営でした。改めて皆様にお礼申し上げます。