眼医器協ニュースVol.99
何でも知っとコーナー
続 健市
よもやよもやだ
スポーツ好きにはたまらない楽しみのひとつに夏・冬4年ごと2年おきに開催されるオリ・パラリンピックがある。新型コロナの影響で1年遅れの開催となった夏季東京オリパラ2020の翌年、さめやらぬコロナ禍で冬季北京オリ(2月4日-20日)・パラ(3月4日-13日)2022が開催され、国威発揚と威信をかける中国ならではの推進力で何はともあれ終了した。日本は過去の実績を上回る成果(オリ18個⦅金3、銀6、銅9⦆、パラ7個⦅金4、銀1、銅2⦆)であった。一方、パラリンピックにおいてロシアとベラルーシ選手団の不参加(=退場)があったとはいえウクライナの躍進(中国に次ぐ2位のメダル29個/ 金11、銀10、銅8)に不屈の精神力を見た思いがした。他方、人権弾圧が理由の外交的ボイコットとは別に北京オリパラ2022で五輪の精神に反するシーンが少なからず散見された。後々まで禍根を残さなければいいのだが。キレてない? キレてないっすよ!!
歴史的には約2800年前に古代ギリシャのオリンピア地方で始まった体育と芸術の競技祭が古代オリンピックといわれるもので、1169年間続くも幾多の戦乱の影響もあり393年に終焉した。約1500年後、フランス人のクーベルタン男爵の提唱「オリンピックの復興」で第1回オリンピック競技大会(近代オリンピック)が1896年にアテネで開催され、世界五大陸の団結を願い、そのシンボルとして五輪のマークが考案された。また男爵はオリンピズム=五輪の精神として『スポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍など様々な違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献すること。』を唱えた。近年では「環境」が加わり世界中の人々が地球環境について考える機会にもなっている。そんな平和の祭典とされる冬期北京オリパラ期間中の2月24日、中国と緊密な友好関係にあるロシアがウクライナへの軍事侵攻(侵略戦争?)を突如開始した。よもやよもやだ...
3月2日、バイデン米大統領が一般教書演説でロシアと中国を念頭に世界の現状を「民主主義と専制主義の闘い」と位置付け、国際社会は明らかに平和と安全の側を即ち民主主義の自由主義社会を選ぶと訴えました。ウクライナも『なめたらいかんぜよ』と国際世論を味方に民主主義諸国からの資金や兵器の支援を取り付け、長期戦の局面にある。一方、国際連合や軍事同盟の北大西洋条約機構(NATO)は『拒否権』や『非加盟』が為に停戦への有効な対策が取れないでいる。もしも核兵器が使われようものなら第三次世界大戦、文明崩壊、人類滅亡のシナリオが...♫~やめてケレ やめてケーレ カクカク(核戦争)
歴史は繰り返すと言われるが、宮殿住まいの絶対的権力者の野望がまたしても庶民の生命を脅かす。侵攻後100日が経過し、その影響で5月の世界食糧価格指数が前年同月比で22.8%上昇したと国連食糧農業機関が発表。さらには世界銀行が食料価格1%の上昇ごとに極度の貧困層(1日1.9ドル未満の生活を強いられる層)が1,000万人増えると試算する。どんなに栄華を極め繁栄してもいつか滅びることを歴史から学ぶべきである。平家物語の一節に...
祇園精舎の鐘の声、 諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、 ただ春の夜の夢のごとし。
たけき者もついには滅びぬ、 ひとえに風の前の塵に同じ。
沙羅双樹の花の色は釈迦入滅の際、白色に変じたとされ、たとえ釈迦であっても「生あるものはいつか死ぬ」ということを通じて世俗的な権限を誇った者も必ず衰えるという道理を示している。この世俗的な権限「=おごり」は春の世の夢のようにはかないもので、勢いの盛んな者も最後にはむなしく風に吹き払われる塵と同じだと...南無阿弥陀仏&アーメン
専制主義国家(=Tyranny nation)の独裁者(=dictator)にはインドの寺院「祇園精舎」にある無情堂の鐘の声(死の苦しみを取り除き、極楽浄土へと導く水晶の鐘の音)は響くことはないだろう。
令和4年6月(記)