アニュアルレポート2024配信に向けて

一般社団法人 日本眼科医療機器協会
会長 小澤 素生

会長 小澤 素生 株式会社ニデック 代表取締役社長

 

 平素は当協会の活動に、ご支援賜りまして誠に有難う御座います。
 日本眼科医療機器協会は、眼科医療製品の製造・販売を行う企業の産業団体として、1978年(昭和53年)に発足しました。会員企業数も2024年1月現在で131社となりました。「眼科医療の進歩と健全な発展のため、より優れた眼科医療機器を提供し、国民の目の健康とQOL(Quality of Life)の向上を図り、社会に貢献すること」を協会理念とし、眼科医療の発展と産業界の地位向上につながる活動を続けております。

 2023年を振り返りますと、国内での新型コロナウイルス感染症は、2023年5月8日から「5類感染症」に位置づけられ、国内経済活動の再開が期待されました。学会併設展示会場への先生方の来場もコロナ前の活況を取り戻しつつあり、今後が期待できる年でありました。
しかしながら、物価高騰や、人手不足による生産や物流網の停滞は続き、産業の発展に影響を与えた1年でもありました。更に今年は、制度改正イヤーとして様々な対応を迫られております。引き続き産業団体として新たな時代に向き合った活動を進めてまいりたいと考えております。

 さて、昨年もご紹介をさせていただきました「日本眼科啓発会議」が提唱する「アイフレイル」啓発活動は、新たなフェーズに移行し、当協会においては公的眼科検診推進委員会が中心となり、職域への啓発活動を積極的に進めているところとなります。

 また、当協会が2020年に設立した合同会社G-Dataにおいては、日本眼科学会のレジストリー事業を担う一般社団法人Japan Ocular Imaging Registry(JOI Registry)と協調して、眼底画像のAI診断補助プログラム事業、角膜画像のAI診断補助プログラム事業の薬事承認取得に向けた取り組みを進めており、実用化に向けた活動を引き続き推進してまいります。会員企業の皆様には、今後も引き続きご協力を頂けますよう、お願いいたします。

 当協会の主幹事業である器械展示につきましては、協会活動に対するご理解が広まり、協会会員数も今後の増加が予想される中、新しい時代にふさわしい安心・安全な展示会開催を目指してまいります。2023年は各学会に現地参加される方の人数がほぼコロナ前に戻り、中には過去最高の現地参加者を記録した学会もありました。2024年もより良い準備、運営を実施して医療関係者の皆様をお迎えできるように対応をしたいと思います。

 本号では、眼科医療機器プログラム実用化にむけて日本眼科学会理事長 大鹿先生に「(仮):革新的医療技術研究開発推進事業(産学官共同型)の実現に掛ける想い」、たじみ岩瀬眼科 岩瀬医院長に「(仮)職域における眼科検診」ついてそれぞれご寄稿頂きました。紙面をお借りしてご寄稿頂いた先生方に厚く御礼申し上げます。 

 社会環境がますます変化する中、私たちの役割は大きくなっております。技術の進歩やデジタル化が進む中、より効果的で安全な眼科医療機器の開発や提供が求められております。日本眼科医療機器協会は、本年もより質の高い視覚健康ケアに提供を目指して会員と共に努力してまいります。