平素は当協会の活動に、ご支援、ご愛顧を賜りまして誠に有難う御座います。
日本眼科医療機器協会は、眼科医療製品の製造・販売をおこなう企業の産業団体として、1978年(昭和53年)発足以来、今年で45年目を迎えることとなりました。協会会員企業数も2023年1月現在で133社となり「眼科医療の進歩と健全な発展のため、より優れた眼科医療機器を提供し、国民の目の健康とQOL(Quality of Life)の向上を図り、社会に貢献すること」を協会理念とし、眼科医療の発展と産業界の地位向上につながる活動を続けております。
振り返りますと、2022年は新型コロナウイルスの感染再拡大、ロシアのウクライナ侵攻などにより、世界情勢が変化する中、眼科医療製品業界も半導体部品供給の逼迫から始まり、資材の価格高騰、人手不足による生産や物流網の停滞など様々な影響を受けて参りました。2023年も未だ世界情勢の不透明感は否めない状況ではありますが、産業団体として新たな時代に向き合った活動を進めてまいりたいと考えております。
さて、昨年もご紹介をさせていただきました「日本眼科啓発会議」が提唱する「アイフレイル」啓発活動に関しまして、活動テーマが新たなフェーズに移行し、アイフレイルの学術的な裏付けを強化し、他の医療機関と連携を進める「医療機関連携期」に入りました。当協会においても公的眼科検診推進委員会が中心となり、健診施設への啓発活動を積極的に進めているところとなります。
また、当協会が2020年に設立した合同会社G-Dataにおいては、日本眼科学会のレジストリー事業を担う一般社団法人Japan Ocular Imaging Registry(JOI Registry)と協調して、眼底画像のAI診断補助プログラムの承認申請に向けた取り組みを進めております。今年度は、新たに角膜画像のAI診断補助プログラム事業にも参画する事となり、日本発信の眼科医療機器プログラム実用化に向けた活動を推進してまいります。会員企業の皆様には、今後も引き続きご協力を頂けますよう、お願いいたします。
新型コロナウイルス感染症との戦いは未だ収束には至っていない状況ではありますが、ワクチン接種、経口抗ウイルス薬も広まり、新型コロナウイルスと共存する「新たな生活様式」も進んできております。当協会の主幹事業である器械展示につきましても、2022年に開始された新専門医制度も引き金となり、徐々に現地参加者が戻ってきているように感じております。今後も新しい時代にふさわしい安心・安全な展示会開催を目指して、多くの会員のご参加を募り、医療関係者の皆様をお迎えできるように準備をしたいと思います。
本号では、眼科医療機器プログラム実用化にむけて山梨大学医学部眼科学教室 教授 柏木 賢治 先生に「デジタル社会における眼科医療のこれから」、コンプライアンスに関して高橋修平法律事務所の高橋 修平 先生に「企業経営におけるコンプライアンスへの取り組み方」それぞれご寄稿頂きました。この場をお借りしてご寄稿頂いた先生方に厚く御礼申し上げます。
最後となりますが、当協会の国際標準化活動において、経済産業省の助成を受け、検査装置からのデータ出力フォーマットのISO化を進めてまいりました。本年1月に開催されたISO/TC215 WG2会議で、TS 22218-1、TS 22218-2として、ISOから正式に技術仕様書が発行され、眼科機器の相互運用性に関する初めての国際標準が誕生しました。今回の成果は、当協会のみの活動ではなく、日本眼科学会の先生方のご支援の賜物であり、深く感謝申し上げます。