教育事業推進委員会 委員長
鈴木 英晴
~はじめに~
当協会は眼科医療機器を医療機関等で安心安全且つコンプライアンスに則り適正に取り扱って頂くために、眼科領域に特化した「眼科MDIR認定制度」を業界他団体に先駆けて2019年から発足させました。
第1回「眼科MDIR講習会、認定試験」について
第1回の講習会、認定試験は2019年6月6日(木)、7月11日(木)の2日間に渡り、東京駅からほど近い「AP東京八重洲通り会議室」にて、164名の参加者を迎えて講習会を実施しました。2日目の7月11日(木)の講習終了後には認定試験を実施致し、認定試験受験者数161名の内、合格者数は126名、不合格者数35名、合格率78%という結果でした。
2020年「眼科MDIR講習会、認定試験」 中止について
2020年度の第2回「眼科MDIR認定制度」講習会、認定試験は6月9日(火)、7月14日(火)の二日間、日本教育会館にて開催を予定しておりましたが、コロナ禍の影響で一旦は12月に延期いたしました。しかしながらその後も感染者数は増減を繰り返し、万が一でも当講習会会場で感染者を発生させることがあってはならないとの判断により、止む無く中止とさせていただきました。
2021年第2回Web方式による「眼科MDIR講習会、認定試験」の実施
2020年の開催中止を受け、委員会で検討を重ねた結果、2021年からはコロナ禍が収束している、いないに拘らず、Web方式で実施することといたしました。6月1日(火)からオンデマンドによる受講をスタートさせ、7月29日(木)まで視聴可能とし、7月30日(金)16時から認定試験を実施いたしました。Web方式での開催メリットとしては、
- 講習会場に足を運んでいただく二日間を有効活用していただける(遠方からの受講者は前泊されるので最大四日間拘束の可能性がある事)
- 会場までの交通費、及び宿泊費等が削減できる
- ライブ配信ではなく2カ月間の受講期間を設ける予定なので、受講者は空いた時間にいつでも視聴、学習が可能
- 学習スライドはカラーで印刷可能なので、OCTAの眼底画像が見易くなる
などが挙げられ、第1回、第2回の受験者のアンケート結果でも同様のご意見等が多数寄せられました。第2回「眼科MDIR認定試験」にも163名もの受験申し込みをいただきましたが、8名が未受験となり、実際には155名が認定試験に臨まれました。結果は残念ながら合格者数89名に留まり、合格率57.%と、第1回に比して20ポイント下がりました。特に認定試験内容も大きく変更していない事から、当委員会でも合格率低下の理由を探るべくアンケートを実施しました。その結果に基づき、来年度の第3回「眼科MDIR認定制度」講習会、認定試験の実施方法について次の通り改善、変更することといたしました。
2022年第3回Web方式「眼科MDIR講習会、認定試験」の主な改善、変更点
- 試験時間が40分では短すぎる。⇒ 試験時間を60分に変更する。(第1回では30分)
- 2021年の第2回認定試験は7月30日(金)に実施されたが、月末最終日は多くの営業マンにとって多忙を極めるので避けて貰いたい。⇒ 認定試験は月末最終日を避け、7月中旬の水曜日、若しくは金曜日に実施するとした。2022年は7月15日(金)に実施する。
※1(未受験者の削減にもつながるものと思われる。) - 認定試験全50問を回答する際に、前後の問題に遷移する時に「戻る」、「進む」ボタンを押下するが、1問ずつしか移動しないので、飛ばしたい時や、見直す際に時間が掛かってしまう。
⇒50問のすべてのボタンを各問題の上部に配置し、任意の問題番号を選んでいただくことで、任意の問題に瞬時に移動できるようにする。 - 講義ビデオの再生速度を変更できるようにして欲しい。⇒1倍速から2倍速の間で任意の速度に変更できるように改善する。
2022年第3回Web方式「眼科MDIR講習会、認定試験」のスケジュール予定
- 2022年3月下旬~5月初旬:申し込み受付け期間
- 2022年5月16日(月)~7月14日(木):講習ビデオ視聴期間
- 2022年7月15日(金)16時~17時:Web方式による認定試験
- 2022年7月下旬:合否連絡
- 2022年8月下旬:合格者に認定カード送付
当協会ホームページでは「眼科MDIR認定制度」の常設ページを設けています。設立の趣旨、背景、その目的、概要、更には今年度の申し込み要領、開催日時、開催場所などの詳細について掲載していますので下記URLからご確認願います。
https://joia.or.jp/ganka-mdir/
2020年から開始した更新制度用E-ラーニングについて
合格者の認定有効期間は交付日から5年間です。次の5年間の更新のためには、有効期間中に30ポイント取得する必要があります。ポイントは交付翌年以降、当協会が主催する「E-ラーニング」を受講することで10ポイント取得することができます。E-ラーニングについては個々の企業ではすでに実施されているところも少なくないと思いますが、更新制度としてのリマインド学習に適しているとの判断から業界団体に先駆けて2020年10月12日~12月11日までの期間に初めて実施いたしました。各種コンプライアンスをはじめ、診療、治療機器、及び緑内障などの主要な眼科疾患など認定講習の際に学んで頂いたカリキュラム以外にも最新のAI関連、コンタクトレンズに関する基礎知識、洗浄、消毒、滅菌に至るまで10レッスン※にカテゴリー分けされており、どこからでも始められます。レッスン毎に学習スライドで復習して頂いた後、5問出題し、4問(80%)以上の正答率が得られるまで問題は何度でもシャッフルされます。2カ月の受講期間を終え、第1回(2019年)の認定合格者126名の内、92名の方が受講し、全員が10レッスン全てクリアされ、10ポイント付与されました。2021年度は本来であれば前年(2020年)に開催予定だった第2回「眼科MDIR」認定合格者も上積みされる予定でしたが、残念ながら中止となったので、今年も第1回(2019年)の126名の認定合格者のみが対象となり、この中から68名の方が受講されました。
このように認定後も最新の医療機器、診療、治療、術式の知識の習得、更には時代、世相を反映した法改正などコンプライアンス関連のブラッシュアップも認定者に求めていく所存です。
今年もカリキュラムを下記の通り10レッスンに分けて上記の通り学んでいただきますが、新たに③ 【レッスン3:自主基準、その他法令】に、「学会併設展示会における未承認医療機器の展示に関する取扱い、運用」を、⑤ 【レッスン5:白内障手術関連】では、「多焦点眼内レンズ」に関する学習スライド、設問を追加いたしました。
※10レッスンの内訳
① レッスン1:規約関連
② レッスン2:薬機法関連
③ レッスン3:自主基準、その他法令
④ レッスン4:検査機器関連
⑤ レッスン5:白内障手術関連
⑥ レッスン6:緑内障、網膜硝子体治療、眼科手術用顕微鏡
⑦ レッスン7:医療従事者からの出題{ドクター}
⑧ レッスン8:医療従事者からの出題{視能訓練士}
⑨ レッスン9:診療報酬、薬剤について
⑩ レッスン10:AI、滅菌、消毒、CL関連
最後に
「眼科MDIR認定制度」が会員事業者はもとより日本眼科学会、日本眼科医会の先生方、或いは厚労省をはじめ官公庁の方々にも広く認知、信頼していただけるように、これまで以上に教育内容を充実させてまいる所存ですので、今後とも当委員会の活動にご理解ご支援賜りますよう宜しくお願い致します。