2021年の併設器械展示会を振り返って

展示会委員会 委員長
 榎本 隆則

 

 2021年の学会併設器械展示会は新型コロナウイルスによる影響を多いに受けた1年でした。

 4月に開催されました第125回日本眼科学会総会は開催直前に蔓延防止重点措置が大阪府に発令され、緊張感が走る幕開けとなりました。学会場の大阪国際会議場の入口では毎日健康状態申告書を提出し、「COCOA」と「大阪コロナ追跡システム」の登録、検温を実施して、数々の条件をクリアした方だけが入場できるという厳重な対応としました。

 展示会場もマスク着用を義務付け、こまめな手指消毒の実施、会場内やブースでの密を避けるために入場証の発行枚数を小間数別に制限を行う対策を取りました。

 しかしながら、展示会2日目の午前中に新型コロナ陽性者が1名発覚した為、午後の展示会を閉鎖するという事態になりました。その間、大阪国際会議場と相談し、保健所による消毒作業を行い、その後、高橋総会長にご報告をしました。幸いなことに保健所より最終日の展示会開催の許可を得ましたので、総会長にご報告し、翌日の展示会再開の承認を頂きました。

第125回日本眼科学会総会

総会長: 関西医科大学 髙橋 寛二 教授
会期: 4月8日~11日(展示会は10日まで)(オンデマンド配信:4月26日~5月10日)
学会場: 大阪国際会議場、リーガロイヤルホテル大阪
展示会場: 大阪国際会議場 3Fイベントホール、5Fホワイエ、12Fホワイエ(73社638小間)
最終登録者数: 8,486人(リアル参加者:1,043人)

 第32回日本緑内障学会は当初、世界緑内障会議と併行開催の予定でしたが、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックにより、世界緑内障会議は6月にWebでの単独開催となりました。
 その為、日本緑内障学会は国立京都国際会館にて9月10日~12日の日程で開催されることとなりました。先の学会で新型コロナウイルス陽性者が出たことで、展示会出展各社の参加条件に「ワクチン2回接種者又は72時間以内のPCR検査・抗原検査の結果が『陰性』と証明された方」という条件を追加して臨みました。しかし、再び8月17日に京都府に対して緊急事態宣言が発令され、9月30日までの期間が対象とされた為、急遽Web参加に変更される先生方が多く、リアル開催の展示会に多大な影響が出ました。
 それでも学会プログラムの幕間にパワーポイントで展示会場の紹介を行い、相原学会長からは講演会場ステージから展示会の視察やスタンプラリーを実施中等々の呼びかけをして頂きました。また学会長をはじめ多くの東京大学の先生方は数回、展示会場に来訪され、熱心に各社ブースを廻って、ご覧になられていました。

第32回日本緑内障学会

学会長: 東京大学 相原 一 教授
会期: 9月10日~12日(オンデマンド配信:10月1日~31日)
学会場: 国立京都国際会館
展示会場: 国立京都国際会館 さくら(33社63小間)
最終登録者数: 1,672人(リアル参加者:312人)

 第75回日本臨床眼科学会は福岡国際会議場、マリンメッセ福岡A館を学会場として開催され、展示会場もマリンメッセ福岡A館の多目的展示室で行われました。
 新型コロナウイルスも小康状態で、緊急事態宣言、飲食店への時短要請も解除された中での学会、展示会開催となり、多くの医師、医療関係者の方々がリアル参加となりました。そのおかげで多数展示会場に来場して頂く事ができ、久しぶりに活気のある展示会となりました。このような光景は約2年間、目にしなかったのですが、ようやく少しではありますが、新型コロナ前に戻り始めたと実感出来た学会、展示会となりました。

第75回日本臨床眼科学会

学会長: 鹿児島大学 坂本 泰二 教授
会期: 10月28日~31日(展示会は30日まで)(オンデマンド配信:11月22日~12月22日)
学会場: 福岡国際会議場、マリンメッセ福岡A館
展示会場: マリンメッセ福岡A館 多目的展示室(77社 632小間)
最終登録者数: 10,000人(リアル参加者:2,000人)

 第60回日本網膜硝子体学会総会は全国的に新型コロナウイルスも少し落ち着きを見せた時期に東京国際フォーラムでの開催でした。リアル参加者数は医療従事者の方々の気持ちを反映したかのように登録者数の約50%を占める状況でした。展示会場にも連日多くの医師、医療関係者が来場され、出展各社のブースも多いに賑わって、活気のある展示会を肌で感じることが出来たのではないかと思います。

第60回日本網膜硝子体学会

学会長: 京女子医科大学 飯田 知弘 教授
会期: 12月3日~5日(オンデマンド配信:12月13日~29日)
学会場: 東京国際フォーラム
展示会場: 東京国際フォーラム ホールB5及びホワイエ(36社 94小間)
最終登録者数: 2,086人(リアル参加者:1,002人)

 2021年を振り返ると前半の2学会は新型コロナウイルスに振りまわされ、後半2学会は新型コロナウイルスの間隙を縫って、なんとか開催できたように感じます。
 2022年は新型コロナウイルスの終息を願うことは勿論ですが、少なくとも後半の2学会の様に落ち着いた状態で多くの医師、医療関係者を安心してお迎えできるように万全の準備をして、展示会が無事に開催されることを祈念いたします。